下地、佐喜真、玉城氏対決 経済、基地争点に総力戦 知事選

任期満了に伴う知事選が25日告示され、前衆院議員の新人、下地幹郎氏(61)、前宜野湾市長の新人、佐喜真淳氏(58)=自民、公明推薦、再選を目指す現職、玉城デニー氏(62)=立民、共産、れいわ、社民、沖縄社大推薦=が立候補を届け出た。玉城県政4年間の評価、新型コロナウイルス禍で低迷する県経済の再生、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題などを主要争点に、17日間の総力戦に突入した。投開票は9月11日。竹富町は10日に繰り上げ投票が行われる。

翁長雄志前知事以来、辺野古移設を巡って県は国と激しく対立している。辺野古沿岸の埋め立てに反対する下地氏、玉城氏が当選すれば国との対決姿勢が継続し、移設容認の佐喜真氏が県政を奪還すれば国との協調姿勢に転じる可能性が強い。選挙結果は県と国の関係に大きな影響を与える。
辺野古移設に反対し、玉城氏を支える「オール沖縄」勢力は7月の参院選で現職を再選させたものの、自公の新人に猛追を許すなど、弱体化が顕著。知事選で、玉城氏の再選に組織の命運を懸ける形になる。
下地氏は動画投稿サイト「ユーチューブ」を使い、辺野古の埋め立て現場近くから第一声を配信。普天間飛行場の訓練を鹿児島県馬毛島に移転し、同飛行場を軍民共用空港にすれば経済対策にもなるとして「沖縄を変える」と主張した。
岸田政権が支援する佐喜真氏は那覇市で出陣式を開き「米軍基地問題を終わらせ、未来へとつなげる。普天間を2030年までに返還させる」と訴えた。離島の渡航費、輸送費高騰に対応する支援策を打ち出す考えも示した。
玉城氏は、うるま市で演説。「沖縄らしい優しい社会の実現に向け必死に取り組んできた。辺野古に新基地は造らせない。全身全霊で取り組む」と述べ、政府との対決姿勢を鮮明にした。子どもの貧困対策などの実績も強調した。
選挙戦は沖縄本島が主戦場になるが、先島の離島では基地問題への関心は低く、3陣営がいかに離島振興策を訴えるかが問われそうだ。
県選挙管理委員会によると、24日現在の有権者数は117万6110人(男57万3191人、女60万2919人)。

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