石垣島熱帯果樹加工協同組合(平田直樹理事長)は、石垣市島やさい・ハーブ振興対策事業を活用し、島コショウ「ピパーツ」の生産強化とブランド化、販路開拓を目指している。市民が庭先で苗を栽培し発育した実を収穫。組合が買い取り、業者に販売することで県内市場でのシェア確保を目指す。
組合は2011年から栽培技術研修を始め、海外を視察。同時に商品開発や市場調査、商談も行っていた。
しかし、14、15年の台風被害で組合活動を休止。取引も中止したが、今年度事業で長期的な戦略を再構築した。
22日、市役所に中山義隆市長を訪れた株式会社ファーストオンの黒島保代表は市民から実を買い取り、沖縄本島内で流通させる戦略を説明。「3年から5年で石垣から本島に出荷し『石垣ピパーツ』を流通させたい。県内では既に1㌧から2㌧は流通している」と述べ、ブランド化の必要性を強調した。
組合は1㌔あたり1500円で実を市民から買い取る。今年度の目標量は500㌔程度。26日午前10時から市役所1階で苗の無料配布を行い、市民による栽培を促す。既に栽培し実を収穫できる市民からの買い取りも受け付ける。
また、県内外の市場調査も進めており、継続して栽培できる市民には関連情報の報告会を予定する。
組合は来年11月にイタリア外務省が主導する「世界イタリア料理週間」にも注目。石垣ピパーツの売り込みを目指す。国内のイタリアンレストランで特別メニューを提供するイベントで、食材として活用されるよう取り組みを進める。
今年11月の関係者会議に組合員が参加しサンプルとしてピパーツを提供する予定。来年のイベント開催時には、前夜祭で石垣市ブースの設置も調整している。