石垣港の関係者が脱炭素化に向けた取り組みを話し合う「石垣港カーボンニュートラルポート(CNP)協議会」(黒島一博委員長)の初会合が27日、石垣港ターミナルで開かれ、来年2月までにCNP形成計画を策定する方針を確認した。石垣港での年間の温室効果ガス排出量を19・62万㌧と試算。2050年までの排出ゼロ達成を目指し、30年度の目標や具体的な取り組みを盛り込む。
国内ではCO2排出量の約6割を占める産業の多くが港湾・臨港部に立地していることから、港湾での脱炭素化を目指すCNPの議論が加速している。
沖縄総合事務局の調査では、県内6港湾のCO2排出量は計623・63万㌧。石垣港の温室効果ガス削減に伴う水素などの需要ポテンシャルは年間0・8万㌧とされた。
各港湾を抱える自治体は50年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする政府方針に基づき、連携しながらCNP形成計画の策定を進める。
市はこの日の初会合で、具体的な施策として➀港湾の荷役機械の電源を燃料電池や再生エネ由来のものに転換➁FCトラック(燃料電池車)導入➂接岸中の船舶の電力を船内発電から陸上施設による供給に切り替える➃バイオマス燃料の普及・拡大―などを挙げた。参加者のCNP形成に向けた取り組み報告もあった。
11月の第2回会合では具体的な取り組み内容、来年1月の第3回会合ではCNP形成計画の素案を議論する予定。
協議会は港湾関連企業や行政機関の委員17人で組織。黒島委員長は「専門家や企業の意見を聞き、石垣港のカーボンニュートラル形成に向けて取り組みたい」とあいさつした。