尖閣諸島問題を巡り、中山義隆市長がツイッターで野党を批判したことを受け、石垣市議会(我喜屋隆次議長)の野党は4日の臨時会で、中山市長に対する問責決議案を提出したが、賛成少数で否決された。野党は中山市長の投稿について「偏見に満ちたレッテル張り」などと批判。与党は「(投稿を)ヘイトのように宣伝されるのは政治的な言論封殺」と反論し、激しく対立した。
市議会は9月定例会で、尖閣諸島周辺で領海侵入した中国艦船に対する抗議決議や尖閣周辺海域で実態調査を行う予算を可決したが、野党は反対に回った。中山市長はツイッターで、野党の対応を批判し「この方々が市政を担うと尖閣が中国領に?」と投稿した。
問責決議案では、SNSだけでなく、本会議でも中山市長のやじや挑発的言動がエスカレートしていると指摘。「(中山市長の)偏見に満ちたレッテル張り、異論排除の考えは、二元代表制、議会制民主主義をないがしろにし、民主主義自体を壊しかね」ないと糾弾した。
提案者の花谷史郎氏は、市長の投稿に関し「あたかも、この議案に反対した人たちが尖閣を中国領にしようとしているような、根拠のない発言」と疑問視。
議場での市長のやじについては「一般質問以外にも、議員間の議論の場でも、どんどんやじを飛ばしてくる。市長は議会の議論を尊重し、敬意をもって接するべきではないか」と苦言を呈した。
野党から、自身のツイートも「ヘイトではないか」と名指しされた与党の高良宗矩氏は「私と中山市長が『ヘイトスピーチをした』と名誉を傷つけられている。政治的な言論封殺だ」と反論。友寄永三氏も「『ヘイト』『問責』と言われると、議員の発言が非常に狭まる」と懸念した。
中立会派「未来」の後上里厚司氏は、市長のやじについて「市長が言い過ぎたところもある。モラルのあるやじ、SNSであってほしい」、中立の仲嶺忠師氏は「議長から市長にやじについて申し入れ、それでも目に余るなら問責を出してもいい」と述べた。
問責決議案には野党8人が賛成、与党と中立13人が反対した。
一方、我喜屋議長は、中山市長の投稿について「どれがヘイトなのかわからない。一政治家の発信について、私が止めることはできない」との見解を示した。
中山市長は3日、ツイッターに「これのどこが『ヘイト』なのか私には全く理解できません」と投稿した。