環境省は7日、自然環境を守りながら歴史や文化を観光客に伝える「エコツーリズム」の対象地域に、世界自然遺産に昨年登録された竹富町の西表島を認定した。同町は島内5カ所の観光地に立ち入りの上限人数を設定。早ければ来年12月から実施する。
5カ所は、カヌーが楽しめる川沿いや山など観光客が集まる場所。1日当たりの上限をそれぞれ30~200人とする。ガイドの同行も求める。認定に当たって町などが国に提出した構想に盛り込んだ。世界遺産エリアの大部分は観光利用できないことも構想で示した。
認定はエコツーリズム推進法に基づいており22カ所目。立ち入り制限などが可能となる。環境省で認定書を受け取った大浜知司副町長は「環境をしっかり保全していく」と話した。
西表島は鹿児島県の奄美大島などとともに遺産登録された。その際に国連教育科学文化機関(ユネスコ)は観光客数の管理や、アマミノクロウサギなど希少生物の交通事故死への対策強化といった四つの課題を指摘。政府は今月1日、今後の対応方針をまとめ、ユネスコに報告した。
西表島エコツーリズム推進全体構想では、西表島とその周辺海域を、利用ルールや立ち入り制限を設けて観光利用を行う「自然体験ゾーン」、観光利用が可能な「一般利用ゾーン」原則として観光利用ができない「保護ゾーン」に区分。
「自然体験ゾーン」の中で、立ち入り制限を行う「特定自然観光資源」はヒナイ川(1日上限200人)、西田川(同100人)、浦内川流域(横断道)(同50人)、テドウ山(同50人)の5カ所で、立ち入りには事前に町長への申請と承認や、ガイドの同行または講習の受講が必要となる。