新工場推進協 2年ぶり始動 巨額の事業費が課題に 石糖

老朽化が進む石垣島製糖の建て替えに向けた動きが進む(資料写真)

 石垣市、石垣島製糖など関係機関・団体で組織する新石垣島製糖工場建設推進協議会(会長・中山義隆市長)が21日、市役所で開かれた。2020年12月以来、2年ぶりの開催で、新工場建設に向けた官民の取り組みが再始動する。事業費は約260億円と試算され、現状では国の補助事業を導入した場合でも、市や同社の巨額な負担が見込まれることがネックになっている。今後、同協議会を中心に打開策を見いだせるかが焦点になる。

 市によると、新工場建設に既存の補助金を活用した場合、国の産地パワーアップ事業は6割補助、一括交付金などを活用する場合は2割補助で、併せると最大8割の補助となる。
 だが残る2割の事業費も約52億円と巨額で、市、県、同社でどう分担するか方針は定まっていない。また、事業主体が市、同社のいずれになるかで負担割合も異なり、市が事業主体になった場合は多額の財政負担が予想されている。
 協議会で同社の西村剛志社長は、約260億円とされる事業費について「試算から4年くらい時間が経過し、情勢が変わっている部分もある」と指摘。基礎工事の試算をやり直すため、土地のボーリング調査を実施し、土壌サンプルを分析中と報告した。
 同社の役員は「工事に入っても完成まで4年くらいかかる。農家は機械の故障を心配している」と早期の取り組みを求めた。
 棚原長武農水商工部長は「予算確保では国と協議せざるを得ない。県にリーダーシップを取ってほしい」と要望。事業主体については「市としてはあくまで石糖。市は支援に回る方が多くの方々の理解を得られる」と強調した。
 市によると、協議会は新型コロナウイルスの影響などで中断していた。今後、来年1月下旬と3月中旬に作業部会を開く。2月には県なども加わった県分蜜糖製糖工場安定操業対策検討会の石垣島部会が市役所で開催される予定。
 会長以外の協議会委員は次の皆さん。▽副会長・石垣信治(JAおきなわ八重山地区本部長)、西村剛志(石垣島製糖社長)▽嘉良直人(市農業委員会会長)、新城純(石垣島土地改良区総括会計理事)、伊敷繁光(さとうきび生産組合長)

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