大浜、嵩原両氏の功績たたえる 県指定無形文化財に指定 新城島出身

大浜氏(奥)の三線にあわせて舞う嵩原氏=27日夜、ホテルミヤヒラ

 昨年、竹富町新城島出身の大浜安則氏(60)と、嵩原民子氏(74)が沖縄県教育委員会から「県指定無形文化財」に指定されたことを受け、27日夜、ホテルミヤヒラで祝賀会が開かれた。新城出身者では、現八重山古典民謡保存会会長の大浜修氏が2015年に認定されて以来となる。

 大浜氏が八重山古典民謡、嵩原氏が八重山伝統舞踊で、それぞれ指定された。オープニングでは、嵩原氏が大浜氏の三線と唄にあわせて「上原ぬ鳥節」、「でんさ節」を踊り、客席から歌声とともに大きな拍手が巻き起こった。
 その後、2氏は新城の大浜安彦公民館長や孫たちから花束を手渡され、時より涙声になりながら喜びの言葉を語った。
 大浜氏は、大底朝要師のもとでの修行を述懐。「厳しい師匠には感謝しかない。海岸で芸について語り明かした夜をはじめ、師匠との思い出は何日話しても足りない」と感謝するとともに「今後も賞や師匠の名に恥じぬよう芸にまい進する」と語った。
 嵩原氏は開口一番、「私の大好きな新城で生まれ育ったことに感謝する」と述べ、井戸から水を汲(く)んでは友人と遊んだ新城での幼少期を振り返った。28歳の時に入門した本盛秀研究所で力をつけ、やがて自身が師匠となった舞踊人生は「新城の皆さんのおかげ」。しかいとぅみーふぁいゆー、と島言葉でお礼を述べた。
 会場には、新城島の関係者や八重山古典民謡保存会の会員らが約140人集まり、大浜氏らの栄誉をにぎやかな雰囲気でたたえた。
 祝賀会実行委員長の安里行雄氏は「2氏の努力は並大抵のものではない。腕は非常に秀でており、新城の伝統芸能の保存に率先して取り組んでいる」と拍手を送った。前泊正人町長も祝辞を述べた。
 2氏の門下生は「越城節」、「いーやる」などを披露した。
 ■2氏の経歴
 大浜氏
 1984年、大底朝要師に入門。翌年、八重山古典民謡コンクールで新人賞を受賞したのを皮切りに、同大会で優秀賞、最優秀賞を次々と受賞。頭角を現すと、1994年にはとぅばらーま大会歌唱の部で最優秀賞を受賞。1998年に教師免許が授与されると、4年後に自身の研究所を開き、多くの弟子を育てた。アルバム「やいま歌の響」を発表するなど、現在も精力的に活動している。
 嵩原氏
 1977年、秀風会本盛秀研究所に入門。1979年11月に初舞台。台湾省大東市親善交流会、新城郷友会25周年記念式典など大舞台で経験を積み、1986年には石垣市民会館のこけら落とし公演に出演した。2006年に師範免許を授与され、2012年に自身の研究所を開設。新城島防災施設記念式典祝賀会、市民会館30周年など引き続き多くの舞台に出演し続けている。

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