【金波銀波】台湾有事の可能性が懸念される中……

台湾有事の可能性が懸念される中、那覇市が1月に国、県とともに実施したミサイル避難訓練。参加者がミサイル飛来に備えた移動手順の確認などを行う中、会場周辺では数十人の反対派が「訓練ではミサイルから市民を守れない」「恐怖をあおるな」と抗議の声を上げた◆有事に備える訓練というだけで大騒ぎする思考回路は、ちょっと理解できない。地震や津波といった災害の訓練には誰も反対しないのに、なぜミサイル飛来の想定はだめなのか。合理的な説明は不可能だろう◆とはいえ、市民も好きで訓練をやっているわけではない。当たり前だが、日本の戦争準備に協力しているわけでもない。その責任は100%、領土欲をむき出しにする隣の軍事大国にある◆悲惨な沖縄戦を体験し、戦後、一貫して平和を希求してきた沖縄県民が、なぜ今、ミサイルに怯えなくてはならないのか。私たちが他国の気に障るようなことをしたのか。考えれば考えるほど理不尽だ◆数年前、普天間飛行場の辺野古移設に反対する集会で、参加者が「怒りは限界を超えた」と記したプラカードを掲げたことを思い出した。こんな時代だからこそ、戦争を止めるため県民一丸となったエネルギーが必要だ。県民は今こそ中国に向け、あのプラカードを突きつけるべきだろう。

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