竹富町の前泊正人町長は町議会3月定例会初日の3日、2023年度施政方針演説をした。自治体DXの取り組みについて「オンラインを活用した行政手続きの簡路化、医療・介護分野及び農林水産業のICT化など、生産性向上のために全産業におけるDXを促進する」と表明し、デジタル化を加速させる意向を示した。
子育て支援では、経済的負担軽減に向け、妊産婦への移動交通費、宿泊費の支援に言及。中学生までの医療費継続支援にも取り組んでいく。
ICTの活用による個別最適な学び、小中学校での海洋教育を進め、スポーツなど各種大会への派遣費を支援するなどして教育の充実を図っていく。
農業振興については「多機能型貨物輸送船の整備と輸送コストの低減化に国及び県と連携して対策を講じる」と説明。さとうきび集中脱葉施設、農産物集出荷場整備にも取り組む。
西表島西部地区においては、引き続き救急搬送を民間救急救命士に委託、オンラインを活用した遠隔医療も推進し、持続可能な医療提供の実現に取り組む。
交通政策では、波照間航空路線の再開と海上交通の安定的な就航に向け、国、県、事業者との連携に努める。
商工観光業の振興として生産段階の商品開発から流通、販売までの販路拡大を一貫して役割を担う「地域商社」を設立し、「本町のブランド創出に向けた6次産業化・農商工連携による取り組みを促進する」と述べた。
観光振興には「ガイド制度の普及や観光客の入域管理、特続可能な観光受入体制の機築と自然環境との共生に取り組んでいく」と説明した。
西表島エコツーリズム推進全体構想に基づいて自然環境の保全も行い、来訪者を対象とした「訪問税条例(仮称)」の制定に向けて取り組む。
「職員の意識改革と行財政改革を積極的に進め、持続可能な財政基盤づくりを行いながら、町民福祉の向上と町の均衡ある発展を図っていく」と意欲を述べた。