石垣市議会(我喜屋隆次議長)3月定例会は一般質問最終日の17日、登野城このみ、伊良部和摩、井上美智子、内原英聡の4氏が登壇した。市当局は、島外で通院治療を受ける難病患者などの渡航費用を一部助成する事業について、23年度の予算額を前年度の657万円から1563万円に倍増したと報告した。
市の「難病患者等渡航費助成事業」に関しては内原氏が取り上げた。天久朝仁市民保健部長は、難病患者の渡航費を支援する県事業(県離島患者等支援事業補助金)の補助率が23年度、従来の2分の1から10分の9に拡充されることを挙げ「(市も)助成額を増額する」と述べた。
内原氏は「予算の執行率を上げていく観点からも、予算に残余がある場合は適用範囲の拡大、申請者の支援拡充に充てるような対応も検討してほしい」と要望した。
陸上自衛隊配備に伴い、市が周辺地域で駐屯地建設の前後に行っている水質検査について、内原氏は「法的根拠はあるのか」とただした。
陸自配備が環境に与える影響を議論する市環境保全条例の審議会を「法的根拠がない」との理由で市が開催していないとして「法的根拠がなくても、市長が必要と判断すれば予算を組むことができる。この前例をもとに、各種調査を実施するよう求める」と迫った。
中山市長は「何度も『水質調査をしなさい』といったのは議員のほうだ。調査をやったのに『法的根拠がない』と言うなら、なぜやれといったのか」と不快感をあらわに。
それでも怒りが収まらない様子で「法的根拠だけで仕事をやるなら市長も議員も要らない。AIが仕事をする。そこまで言うなら、今後は水質調査は控えたい。やらない」とまくし立てたが、直後に「そのつど必要なもの(調査)は実施したい」と前言を撤回した。
審議会の開催については「開催してほしいというのがあなたの願望かもしれないが、あなたと私の願望は違う」と突き放した。
伊良部氏は、宮良牧中地区で県が所有する農地が荒廃しているとして活用方法をただした。市によると農地周辺は航空路に当たるため、サトウキビ収穫時のクレーンなどに高さ制限があり、農地の使途は事実上、露地野菜の栽培や草地に限定されている。
米盛博文農業委員会事務局長は、県が今年度に農地の測量を行い、来年度は議会の承認後に不動産鑑定を経て競売に付すと説明。農業委として購買希望者に対し、地元在住の農業者であることなどを要件とする買い受け適格証明書を発行する方針を示した。