2022年度に石垣市内の小中学校で把握されたいじめの件数は2月末現在、1084件で、前年度に比べ123件増加していることが27日、市役所で開かれた市いじめ問題対策連絡協議会(会長・小浜美佐子石垣人権擁護委員協議会委員)で報告された。市教育委員会は「解消に向けた対策が何ら取られることなく、放置されているいじめが多数存在する場合もあると懸念している」と指摘。学校側に認知漏れがないか確認を促すとともに、いじめを発見した場合は組織的に対応するよう要請している。
市教委によると、いじめの認知件数は小学校1062件(解消571件)、中学校22件(同16件)。件数が前年度に比べ増加している要因として、学校側がいじめを積極的に把握してきたことなどを挙げた。
いじめの内容は、ひやかしやからかい、悪口や脅し文句、SNSでのトラブル、メールやラインなどでの誹謗中傷、仲間はずれ、無視など。
インターネットでの誹謗中傷は加害者が特定しにくいケースがあり「警察や専門家の協力が必要」としている。
いじめを認知した学校は小学校19校中14校、中学校9校中6校で、いじめの報告がなかった学校は、多くが小規模校だった。
いじめの認知方法に関して市教委は、学校でのアンケートや被害者からの申告などを例示した。
対策としては、小さな問題行動であっても全職員で毅然とした対応を取ること、特定の職員でいじめ問題を抱え込まず、学校が組織的に対応することなどを掲げた。
委員からは「いじめの相談窓口があることが、ちゃんと子どもに知らされているのか」「学校でいじめがあることが保護者には伝わっていないのではないか」などという意見が出た。
同協議会は学校、保護者、関係機関などの代表15人で組織。冒頭、崎山晃教育長が委員に委嘱状を交付し、続いて開かれた会合で小浜氏が会長に選任された。