北朝鮮による事実上の大陸間弾道弾(ICBM)発射に備えるため23日から始まった先島諸島への地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の輸送は、26日も続いた。
石垣島には正午過ぎ、空自の大型ヘリコプターCH47が2日連続で石垣空港に着陸。自衛官がトラック1台分の資機材を降ろした。同機は10人以上の航空自衛官を乗せて午後1時前に離陸した。
与那国島には輸送機C2が飛来し車両1台を降ろした。また、島内の港には民間業者に依頼したコンテナが3個輸送された。
八重山への輸送計画は予定通りに進まず、大きな変更を余儀なくされた。自衛隊の担当者は「予定は変更されることが多い。輸送作業を急いでいるが、明日(27日)の予定は未定で会議中」と話した。
25日には、与那国島への輸送を受注した民間業者が、県の使用許可を受けずに祖納港に車両を陸揚げするなど混乱も起こった。
防衛省は情報管理も平時より厳格に行っている。全国の部隊を一体的に運用する統合幕僚監部から報道担当者が派遣されている。
PAC3は、ミサイルを搭載し発射する「発射機」、運用に必要な電力を供給する「電源車」、目標捜索・追尾を行う「レーダー装置」、射撃指令を行う「射撃管制装置」、他高射隊などと通信する「アンテナ・マスト・グループ」の5種類の装置を使って運用するのが基本となっている。
石垣島には、24日夜に発射機、25日に射撃管制装置やレーダー装置、電源車がそれぞれ輸送された。27日には民間船で関連車両を輸送する予定。