北朝鮮による事実上の大陸間弾道弾(ICBM)発射に備え、自衛隊が23日から続けていた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備する関連車両の石垣島への輸送が完了したことが28日、わかった。今後はICBMの落下に備え、迎撃態勢の準備が本格化するとみられる。
石垣市の担当者は「自衛隊の車両を入れる船の石垣港入港は27日で終わったと聞いた」と説明。石垣空港では、28日午後4時の段階で着陸した自衛隊機は確認されていない。防衛省関係者も27日で石垣島への輸送は完了したと話した。
これまで、自衛隊は輸送機C2や輸送ヘリCH47などを使い、石垣島にPAC3の関連車両や装備・人員を島外から空輸してきた。連日、石垣空港に着陸する自衛隊機が確認されていた。ただ、28日は夕方まで1度も同空港を利用しておらず、県も把握していない。
PAC3輸送は石垣港を使っても行われた。当初は海自輸送艦が使われる予定だったが、沖縄本島の岸壁が使用できなかったため、民間の車両運搬船が使われた。
27日に陸揚げされた車両は特に多く、自衛隊は特別にチャーターしたフェリー「はくおう」を鹿児島県から石垣港に寄港させた。同船を降りた後、自走して石垣駐屯地に入った空自の車両は、書かれた部隊の略称から春日基地や芦屋基地(共に福岡県)の所属とみられる。
与那国島への輸送は継続している。自衛隊は28日、C2を使って車両を空輸。また、同日午前10時には「フェリーよなくに」がトラックを載せ石垣港から与那国島に向かった。見送る自衛官の姿も確認された。