石垣島の環境について考えるシンポジウム「マングローブ植林を考える」(主催・八重山ライオンズクラブ)が14日午後、市民会館中ホールで開かれた。第一部では国際マングローブ生態系協会理事長の馬場繁幸氏が講演し、海外での活動事例を紹介し、八重山でのマングローブ植樹の取り組みを推奨した。
馬場氏は二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量と吸収量を等しくする「カーボンニュートラル」の考えに着目。日本における排出量は2013年を基準に、30年までに46%減らす目標を掲げており、達成できない場合には他国が吸収した量を購入する必要があると説明した。
そこで馬場氏は飛行機や宿泊などで二酸化炭素排出を伴う観光客に「マングローブを植える取り組みを勧めてみては」と強調。「一度マングローブを植えたら将来的にリピーターとして再び訪れる可能性が高く、植えたマングローブを計算して日本全体のCO2削減量にできれば」と述べた。
第二部では石垣市観光交流協会の親盛一功副会長、石垣島エコツーリズム協会の谷崎樹生会長、八重山青年会議所の宇根底師希副理事長、八重山高校生物学部の西村春太朗部長が登壇し、各団体の環境保全の取り組みや活動状況を発表した。
マングローブの植樹について、名蔵、崎枝、川平のアンケート結果を報告。賛成74・3%、反対12・9%、一部のみ反対11・4%といった結果だった。
親盛副会長は「人にも自然にも優しい護岸について考えていきたい」と述べた。