茨城県ひたちなか市立佐野中学校から西野心愛(ここあ)さん(15)がこの春、八重山高校に入学した。心愛さんは、ひたちなか市石垣市友好都市市民の会(松本光栄会長、会員50人)で事務局長を務める祖父の西野滋夫さん(73)と一緒に2歳から石垣島にほぼ毎年訪れており、進学を機に八重山高校への受験を決意。見事合格し、8日午後、滋夫さん、母・真澄さんと中山義隆市長に合格報告した。
市民の会は2003年に石垣市で開催された市民憲章推進全国大会への参加をきっかけに友好都市を目指そうと有志で発足。現在も相互に行き来するなど交流が続いている。
滋夫さんが毎年家族を一緒に連れ、心愛さんもたびたび訪れているうちに、石垣島への憧れを持つようになったという。
心愛さんは今年1月に高校受験で進路選択に悩んだ際、「ここまで本当に好きになれる場所は他にない。絶対に住みたいなと思っていた」という強い思いから、八重山高校への受験に挑戦した。
交流のあった関係者が全面的に支援し、保証人の引き受けや書類の提出など、受験の手続き等で全面的に協力。手続きも不備なく行われ、見事合格を果たした。
心愛さんは「将来は海外の人と関わりのある仕事に就くのが小さい頃からの目標。地元とは違う文化や気候の場所に早く慣れ、自分のことは自分でできるようになりたい。八重山の郷土芸能に興味があるので、三線も弾けるようになりたい」と抱負を語った。
また、滋夫さんの取り組みを身近で見てきたことから「おじいちゃんが石垣市とひたちなか市の友好都市を結ぶ活動をずっと続けているので、自分も少しでもつなげられるような橋渡しができたら」と意気込んだ。
抱負を聞いた中山市長は「市長になって3歳の時から見ていた子が、こういう形で石垣島での高校生活が実現できたことをうれしく思う。三線を覚えたり、石垣の文化を学んで楽しく有意義な高校生活を送ってもらいたい」と激励した。
滋夫さんは「3年間、茨城から2000㌔以上離れた場所で文化や人との出会いを糧に、将来目標とする仕事に就いてほしい。うれしさだけでなく寂しさもあるが、健康で多くの友達をつくり頑張ってほしい。(両市の)交流のかけはしとなってもらえたら」と期待した。