「宝の海利用できず」 尖閣出漁の町議ら嘆き 侵入の中国船に追われ

「鶴丸」に接近しようとする中国海警局船「海警1302」を阻止する海保の巡視船(手前)=20日(仲間均市議提供)

 20~21日に石垣市の尖閣諸島周辺海域で中国海警局の艦船2隻が領海侵入した際、中国艦船の追跡を受けた漁船「鶴丸」に乗船していた市議の仲間均氏と、竹富町議の山下義雄氏が24日までに八重山日報の取材に応じた。山下氏は「宝の海が目の前にあるのに、利用できない現状は残念だ。中国船が領海に入らないようにしてほしい」と要望した。

 「鶴丸」には船主の仲間氏のほか山下氏、船長が乗り込み、20日午前5時過ぎ、石垣島から出港。午後零時半ごろ、尖閣海域に到着した。
 中国艦船「海警1302」「海警1102」は「鶴丸」が尖閣海域に到着するのを待ち構えており、2隻で挟み撃ちにするように接近してきたという。海上保安庁の巡視船が間に割って入り、中国艦船を阻止した。
 「鶴丸」は21日午前10時過ぎまで尖閣海域で操業。アカマチ、カンパチなど約100㌔の釣果があった。「鶴丸」が石垣島に引き返すと、中国艦船もその動きに合わせるように領海から出た。
 現在、中国艦船は尖閣周辺で100日以上連続して航行しており、周辺で操業する日本漁船への威嚇を繰り返している。日本漁船は事実上、海保の護衛がないと操業できない状況で、現在、周辺で操業する漁船はごく少数にとどまっている。
 漁業者としての活動歴も長い山下氏は「尖閣周辺に行くのは初めてだが、すごく豊かな漁場だと感じた。あれほどの場所は近場ではなかなかない。漁場を取り戻してほしい」と訴えた。「鶴丸」の護衛に当たった巡視船に対しては「海保の尽力に感謝したい」と謝意を表した。
 仲間氏は「広島サミットではウクライナ問題が議題になったが、日本の尖閣諸島も攻撃を受けている。日本政府は今、尖閣周辺で何が起きているかという現状認識が足りず、問題をぼかそうとしている」と批判。「国はしっかりと中国と話し合うべきだ」と指摘した。また、今後も尖閣海域への出漁を続ける考えを示した。
 

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