大型で非常に強い台風2号は、勢力を保ったまま八重山諸島に接近している。直撃を前に、石垣市内では27日、台風に備える動きが目立つようになった。一部のスーパーで買いだめによりインスタント食品の品薄が発生するなど、早くも影響が出ており、市民は備えを進めている。一方、各漁港では漁船を陸揚げするなど台風対策に追われていた。石垣島と離島を結ぶフェリーは同日現在、通常運転をしているが、既に28日以降は欠航が決まった航路も出た。
大型スーパーを訪れた男性(40代)は「家族分の食料を買うつもり。家の台風対策もこれから済ませる」と述べ、家族の無事を祈った。
週明けから休校となる可能性のある八重山高の橋本羽舞穂(ゆまほ)さん(2年)は「窓の上からガムテープを張った。まだ不安だから、もう少し固めのもので補強しようかな」と不安そうに話した。
農家にも不安は広がる。喜友名朝敬さん(75)=新栄町=は「28日までにビニールハウスを外す予定。他の農家も同じようにするのでは。大変な作業だ」とため息。「早く台風が過ぎてほしい」と願った。
新石垣空港では、台風直撃前に島を離れようと、出発カウンターに大勢の観光客が並んだ。
東京から家族で訪れた男性(30代)は「晴れているうちに何とか帰りたい。今のところ天気は良くてよかった」と安堵(あんど)した様子だった。
27日時点で、空の便に大きな影響は出ていないが、航空会社の関係者は「(台風の)進路によっては、来週以降の運航がどうなるか分からない。ギリギリにならないと何とも言えない」と話した。
■多くの漁船が対策済み
市内の石垣漁港や登野城漁港では、27日午後までに多くの漁船が台風対策を終えた。登野城漁港では午後2時ごろ、漁船が構内に陸揚げされたほか、観光客がチャーターした漁船も同時刻に港内に戻ってきた。
登野城漁港で作業していた漁師の津野良次さん(40)は関係者とともに船体を土台へ固定する作業を行った。
津野良さんは「多くの漁船は午前中まで漁をしたが、28日以降は出漁しない」と話した。既に27日午後の段階で波が高くなっているとし、28日からは「うねりが大きくなり漁はできなくなる」と予想した。台風の進路が従来の予想から変わったことで「来月3日くらいまでは出漁できないと思う」と話した。
この日の竹富町内の各離島と石垣港離島ターミナルを結ぶ航路では通常運行だったが、フェリー会社2社は28日の気象や海象をみていから判断するとみられる。
八重山観光フェリーは27日午後、28日の西表島上原・鳩間島航路は欠航すると発表。その他の航路は通常運航を予定している。担当者は「28日午前11時半から行われる気象台の説明を聞いた上で明後日(29日)以降の欠航について決めたい」とした。また安栄観光の担当者は27日午後の段階で、「まだ、何も決定していない。28日に判断する」と述べた。