自衛隊が石垣市南ぬ浜町に地対空誘導弾パトリオット（ＰＡＣ３）を展開していることを受け、全日本港湾労働組合沖縄地方本部（全港湾）は、港湾作業員の安全に懸念があるとして、市内の港湾事業者３社の組合員約５０人に７日午前９時の始業時刻から自宅待機するよう指示した。期間は決まっていない。同本部が６日明らかにした。港湾作業員の一部が業務から離れることで、石垣島に貨物船が入荷した場合でも荷役作業が滞り、物流に支障が出る可能性がある。その場合は市民生活にも影響が出ると見られる。

　事業者３社の代表らは６日午後、市幹部と会い、ＰＡＣ３の撤収を求めたが、市側は具体的な回答は避けた。
　南ぬ浜町は、荷役作業などが実施されている石垣港の港湾の対岸にある。市建設部の運道徹部長は取材に対し、事業者３社から「ＰＡＣ３の安全性の確保が取れていない」「ＰＡＣ３の展開を控えてほしい」と要望があったと説明。これに対し、運道部長は「市長からも説明があった通り、安全の確保はできている。港湾業務は石垣島の経済の担い手なので、自宅待機は控えてほしい」と話したという。
　現在、中山義隆市長が出張中のため、要望に対する具体的な回答については、市長帰任後の８日以降に庁内で協議する。
　３社の代表者らは市側との会合について具体的なコメントを控え「市からの回答を各社持って帰って協議する」とした。
　石垣島では台風の影響による貨物船の入港遅れで食料品などの品薄状態が続いている。６日には貨物船が一斉に石垣港に入港し、荷役作業を行う従業員の姿が見られた。週末にかけて引き続き貨物船の入港が予定されている。
　同本部八重山部会の波照間忠部会長は「組合員が自宅待機になれば、配達もできなくなる」と報道陣に説明。非労働組合員については「自宅待機させるかどうか会社の判断に任せる」とした。