学校給食用の生乳加工などを目的に新設される八重山生乳加工施設建築の起工式が17日午後、登野城バラビドーの建築現場で行われた。総事業費は17億円で、2022年1月完成、同年4月に供用開始予定。
市内の学校給食用牛乳は㈱マリヤ乳業(宮良高仁代表取締役)が供給しているが、昨年6月に一部厳格化された食品衛生法等や加工施設の老朽化を受け、高度な衛生管理に適応した新施設の建築が課題となっていた。
新生乳加工施設は敷地面積2967平方㍍、建築面積1192平方㍍の鉄筋コンクリート造平屋建て(一部鉄骨造2階建て)。発酵乳製造室や充填室など21の主要施設を完備する。
導入が義務化された国際的な衛生管理基準HACCP(ハサップ)に従い、各部屋の作業導線を交差させない造りで接触による汚染を防ぐという。生乳のほかにもチーズや飲むヨーグルト、生クリームなどの加工品を生産する。年間の生産予想量は850㌧。
指定管理者としてマリヤ乳業や有限会社伊盛牧場(伊盛米俊代表取締役)など4社で構成される石垣島乳業協業組合が運営する予定で、組合は賃料を市に支払う。建築工事費に加え、電気や機械設備などを含めた総事業費は17億円。そのうち国が8割、県と市が2割ずつ負担する。
起工式には中山義隆市長、平良秀之市議会議長、建築工事を受託する㈱信用組の識名安信代表取締役社長、設計・管理を担う㈱渡久山設計の運天勲代表取締役らが参列。
中山市長は「2017年に八重山地域における酪乳・生乳安定供給対策協議会を設置し、将来の安定的な生乳提供と新施設構築に向けて議論を重ねてきた。引き続き関係機関の専門知識と技術のもと工事を無事終えてほしい」と述べた。
運天社長は「コロナ禍で県内外の先進的な施設視察が困難だったが、無事起工式を迎えられて安心した。無事故・無災害を願いコロナ対策を徹底し、どこにも誇れる施設を作り上げたい」と意気込んだ。
識名社長は「学校給食用生乳を供給する施設の建築に関わることは、業者として大変光栄。来年子どもたちの笑顔が見れるように頑張る」と誓った。
同組合の理事長を務める宮良社長は「法改正に伴い今後の運営を悩んでいたところ、国や市が動いてくれて感謝している。来年4月の供用を目指す」と話した。