子に栄養機能食品提供 市が予算化、野党追及へ きょう市議会開会

「セノビック」を児童生徒に提供する意向を示した中山市長の4月のツイッター

石垣市は16日開会する市議会6月定例会で、小学校4年~中学校3年の児童生徒に栄養機能食品を提供する事業費750万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を上程する。中山義隆市長が4月のツイッターで、栄養機能食品の具体的な商品名を挙げていたこともあり、野党は「企業との癒着だ」(野党連絡協議会の花谷史郎会長)と追及の構え。市は、提供する商品は入札かプロポーザルを経て決定するとした上で「成長期の子どもたちをサポートしたい」(大城智一朗市民保健部長)と理解を求める。
市は今年2月、ロート製薬株式会社(大阪市)と包括連携協定を締結し、子どもたちの食育や市民の健康増進に向けた取り組みを進めることを確認。これを受け中山市長は4月、自身のツイッターで「石垣市は今年度からロート製薬のセノビックを学校給食で提供します。石垣島の子供たち背伸びろー」と投稿した。
同社によると、セノビックは成長期の骨を研究して誕生した栄養機能食品で、カルシウムやビタミンDなどを含む。
市が6月議会に上程する一般会計補正予算案では、栄養機能食品を2学期から児童生徒3320人に提供する事業費を計上。財源はふるさと納税で、市長が政策的に決定できる枠としている。
野党は市長がツイッターで発信した当初から事業を疑問視。花谷氏は「父母から『セノビックを配ってほしい』という声が上がり、議会などで議論して予算が上がるなら分かるが、今回の予算は不自然。市がセノビックを買うために予算を上げたと受け止めており、納得できない」と市議会で追及する方針を明言した。
市は予算計上に当たって「セノビック」の価格を参考にしたが、行政機関が特定の商品を指定して購入することはできない。担当部署の市健康福祉センターは、予算が可決されれば「セノビック」以外の選択肢も視野に、入札かプロポーザルの手続きに入るとしている。
学校給食センターは7日から保護者を対象に、栄養機能食品の提供を希望するか聞くアンケートを開始。16日に締め切るが、14日時点では回収率20%ほどで、約7割が「希望する」と回答しているという。市は「提供する対象は希望者のみ」(大城部長)としている。
SNSでこの事業を取り上げた野党の砥板芳行氏は、栄養機能食品が給食で配布される可能性について「給食は栄養士がカロリーを計算して献立を考えており、サプリを入れると栄養バランスが崩れる。サプリの提供より、給食の食べ残しをどう解消するかを考えるべき」と批判した。
与党連絡協議会の長山家康会長は「議会でも『補食』として、おにぎりを学校に持ち込めないかという質問があり、そういった流れから栄養機能食品の提供になったと思う。子どもたちのための事業だと理解している」と肯定的な見方を示した。
中立会派「未来」の箕底用一氏は「学校給食だけでは栄養が足りないという考えなら、給食センターの栄養士に失礼だ。栄養士の考えも聞き、アンケートの結果も見て対応を判断したい」と話した。

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