石垣市は13日、旧庁舎跡地活用の事業者(優先交渉権者)に公募で有限会社ブルーマリン石垣共同体を選んだ、と発表した。同共同体が提示した事業計画では、ショッピングセンター、ホテル、水族館などを併設した13階建ての商業施設を建設し、2027年10月の開業を目指す。市建設部は「美崎町のにぎわい創出などの事業効果が高く評価された」と説明した。
市は2022年12月15日から今年5月15日まで公募型プロポーザル方式で事業提案を募集。同共同体のみが手を挙げた。同共同体は13企業で構成し、代表企業は有限会社ブルーマリン石垣(石垣市浜崎町、石垣聡代表取締役)。市は今月4日の選定委員会で同共同体を事業者とすることを決めた。
事業計画によると、施設は1~3階が24時間営業のショッピングセンターと水族館、4~13階がホテルとなっている。ホテルは客室数164室で、郷土芸能などを発表できる300席の多目的ホール、一般市民も利用可能な大浴場、プールを備える。
1階には、ほかに公共施設の市民サービス窓口や観光案内所、カフェ、バス待合所などを置く。駐車場は平面と立体で400台以上が利用可能。旧教育委員会敷地も駐車場として利用する。施設の延べ床面積は約3万4478平方㍍。
施設着工は25年2月、完成は27年9月の予定で、事業者は施設整備費として約200億円を見込む。
旧庁舎跡地は市有地で、市は事業者に50年の定期借地権を設定。事業者は借地料として50年総額で約9億7千万円を支払う。一方、市は1階の公共施設スペースの賃料として事業者に50年総額4億5千万円を支払う。
市役所移転で美崎町の空洞化を懸念する声が上がる中、跡地活用は美崎町再開発や、新たなにぎわい創出を促す効果があると期待される。記者会見した中山義隆市長は「開発の相乗効果で、美崎町の他の店舗の実績も上がる。魅力ある美崎町を再度目指したい」と強調した。
市は旧庁舎跡地活用の事業提案を21年8月~22年1月に公募し、2事業者が手を挙げた。ただ新型コロナウイルス禍の中だったため、市は2事業者が提案した事業規模が要求を満たさないとして事業者選定を見送った。
当初からホテルやショッピングセンターの整備を事業提案の条件としており、昨年12月から改めて公募を開始していた。