方言で遊ぶカルタ発行 ことわざの知恵伝える 市文協すまむに部会

 石垣市文化協会(江川義久会長)の「すまむに部会」(黒島健部会長、会員12人)が8日午前、市文化協会事務室で記者会見を開き、八重山のことわざ(「むかすむに」)を方言で記した歌ガルタ「やいまぬむかすむにかるた」が完成、発行したと発表した。定価2000円(税抜)。山田書店やブックスきょうはんなど、市内各所で販売する。

 札は「あっつあぬ あんで うもーなよー」(やるべきことはさっさとすませて、明日があると思って気を許すな)など、ことわざの最初の1文字を五十音に合わせた全45首(「を」などを除く)。
 誰もが覚えやすく、教育現場でも活用できるよう、歌ガルタの形式を採用し、読み札には1つのことわざの全文と意味を、取り札にはことわざの後文を記した。取り札にはイラストもあり、絵本『すまむにで読む八重山の昔話』で絵を担当した鍋倉佳世子(字石垣)さんが描いている。
 2009年に設立した同部会はカルタ作りを5年ほど前から企画。方言の普及とともに、世代を超えて方言が楽しめ、子どもの情操教育の一助になるようにとの願いを込めた。
 宮城信勇編『八重山ことわざ事典』を参考に、字石垣にある方言の勉強会・すまむにしょーら会のメンバーなどから助言を受けつつ、▽子どもが理解しやすく▽現代に通じ▽親が子どもに伝えたい、知恵になるもの―などを基準に選定した。
 江川会長(74)は「同部会はこれまで方言を教え、CDや絵本などで形にしてきた。今回はカルタでスマムニを広める」とあいさつ。
 黒島部会長(71)は「これからどんな活用方法が出てくるのか楽しみ」、安里昭子副部会長(75)は「カルタの出前授業をするなど、子どもたちと関われる機会をつくりたい」と意気込んだ。
 同カルタは28日に開催される「第9回すまむにを話す大会」でも販売される。

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