株式会社おきでんCplusC(仲程拓社長)と石垣市は19日、ICTを活用し、市内で独居老人の見守り支援を行うことを盛り込んだ協定を締結した。同社が独居老人の屋内活動や睡眠時間などを計測し、離れて暮らす家族に安否情報を提供する。離島での導入は石垣市が初めて。
おきでんCplusCは、独居老人が暮らす自宅内にセンサーを複数設置。室内の人の動きや呼吸、位置などを24時間365日検知できるシステムで、活動が検知できない場合、本人と家族に通知される。米国とシンガポールの企業が開発したWi―Fiセンシング技術を活用した。
さらに社協や民生委員、自治体担当者にも情報が通知される連絡網の構築を図る。緊急時は本人宅を関係者が訪問し、安否確認が行えるよう体制整備を今年度中に進める予定。さまざまなサービスを付加し独居老人を見守る体制を強化する。
本来は有料サービスだが、今年度の県離島・過疎地域づくりDX促進事業におきでんCplusCが選ばれたため、公的予算を獲得。来年2月末までは無料で利用できる。事業には石垣市も対象自治体として参加する。
同社は来月以降、各公民館で説明会を開き、サービス申し込みを受け付ける。サービス利用者は単身の高齢者世帯を優先する方針。市内には、約4000の高齢者独居世帯があるという。
八重山圏域では、竹富町など複数離島で構成される自治体もあるため、関係者は町関係者との意見交換なども検討している。協定締結式で中山義隆市長は「一人暮らしの高齢者が安心して暮らせるよう地域が見守れる体制を構築する」と強調。仲程社長は「高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるため、サービスを活用してほしい」と呼び掛けた。