石垣市が文書を外部に誤送信し、市民7人の個人情報を漏洩(ろうえい)させた問題で、市議会の野党と中立議員計11人は19日、中山義隆市長に臨時議会の招集を請求した。一連の経緯と再発防止策の説明を求める。野党は特別委員会の設置や、何らかの決議を視野に市を追及する構え。中立会派「未来」の箕底用一氏、後上里厚司氏は20日、市議会で記者会見し、市に第三者調査委員会の設置を求める考えを示した。
地方自治法の規定で、議員の4分の1以上の賛成があれば市に臨時会の招集を請求でき、市は請求の日から20日以内に臨時議会を招集しなくてはならない。石垣市議会の場合、6人以上の請求で要件を満たす。
野党連絡協議会の花谷史郎会長は「6月議会でも市の議会対応のあり方が問題になったが、市の中枢が機能不全になっている。不祥事が繰り返されており、自浄作用がない。臨時議会で特別委員会を設置するか、市に何らかの対応を求める決議を行うか、与党や中立と調整したい」と話した。
「未来」の箕底氏は記者会見で、沖縄本島の企業に誤送信された個人情報が報道機関に流出したことについて「企業は『出していない』と言っていると聞いており、別の情報漏洩の出口があるのではないか。中山市長も含め、行政当局の対応は甘い。われわれは行政ではなく、市民の立場で考える」と強調した。
また「納税課で、誰が何を送信しているかすべて把握していないとの事実も明らかになった」と問題視。独立した第三者調査委員会を設置し、透明性を確保して市民の疑念を解消すべきと訴えた。
後上里氏も「市民に分かりやすい説明をしてほしい。第三者調査委員会を設置したほうがいい」と述べた。2人は中山市長にも直接、第三者調査委の設置を要望したという。
一方、市議会に特別委を設置することに関して箕底氏は「政争の具になる恐れがある」と慎重な姿勢を示した。
市は臨時議会の招集請求を受け、今後、市長の日程などを考慮しながら招集日を決める。
市によると、納税課職員が7月12日、ファックスの操作ミスで市民7人の氏名や預金口座などの情報が記載された文書を沖縄本島の企業に誤送信した。