来夏世の五穀豊穣を祈願 5年ぶり、ビッチュルを奉納 川平

㊨「願い人」としてビッチュルを奉納した大屋実之さん。地域住民の安寧と無病息災を願った=23日、赤イロ目宮鳥御嶽㊧2本の旗頭も登場し、地元住民や観光客など多くの見物客が集まった=23日、赤イロ目宮鳥御嶽

 川平地区の豊年祭が23日、赤イロ目宮鳥御嶽(アーラオン)、山川御嶽(ヤマオン)、群星御嶽(ユブィスオン)で行われ、今年の豊作に感謝し、来夏世の五穀豊穣を祈願した。赤イロ目宮鳥御嶽では、重さ約60㌔の石を持ち上げ、村に繁栄がもたらされるという「ビッチュル」が5年ぶりに奉納され、地域住民の安寧と無病息災を願った。旗頭も登場し、地元住民や観光客など多くの見物客が集まった。

 午前には、川平公民館神事部と神司らが3つ御嶽で朝参りをすませた。午後2時からは各御嶽で、それぞれの神司や氏子らが集い、ことしの豊作への感謝と来夏世の豊作祈願が行われた。
 川平の豊年祭恒例の儀式でもある「ビッチュル」は2019年に大雨の影響で実施できず、コロナ禍を挟んで5年ぶりの開催となった。願い人(ニンガイピトゥ)による「イヤー」という力強い掛け声とともに、石を境内中央まで運び出し、5人の若い男性担ぎ手たち次々に石を担いだ。境内を左回りに担ぎ歩き、「ユイ」と力強く踏み込む勇ましい姿に、会場からは盛んな拍手が送られた。
 ビッチュル石は年々大きく、重くなっていると伝えられ、村の繁栄や豊穣につながるものとされている。
 願い人を35年務めた大屋広男さん(70)から昨年引き継ぎ、初めて願い人として奉納した甥の大屋実之さん(38)は「責任者の役割を引き継がせてもらい、緊張したが無事にできてホッとしている。川平村の氏子の家庭が安全であるようにビッチュルにお願いした。来年も良い豊年祭を迎えたい」と達成感をにじませた。実之さんは16歳の頃からビッチュル石を担いでいるという。
 川平の豊年祭はコロナ禍の影響で、昨年まで神事のみの開催となっていたが、制限を設けずに通常開催されるのは4年ぶり。

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