ヤマネコの事故死防げ 子の活動活発化でアピール 西表

イリオモテヤマネコの子ネコの写真(環境省西表野生生物保護センター提供)

 西表島で今春生まれたイリオモテヤマネコの子ネコの行動が活発になる時期を迎え、環境省西表自然保護官事務所などで作るイリオモテヤマネコ交通事故防止連絡会議は、交通安全運動を実施した。7、8月は観光客が増え、西表島内の交通量も増えることから、警戒を強め、ドライバーに安全運転を呼び掛けている。

 西表自然保護官事務所によると、イリオモテヤマネコの出産時期は4~6月。生まれた子ネコは7、8月ごろひとり立ちして、行動が活発になる。だが、交通量が多い危険場所を把握できておらず、道路上で寝転んでいることもあるという。また、この時期は島の観光シーズンでもあり、レンタカーなどのドライバーの多くはヤマネコが出現する地域を理解していないのが実態だ。
 このため、子ネコが交通事故の「被害者」になる危険が高く、昨年8月には1、2日と連続で子ネコが事故に遭い、死亡する事例が発生した。昨年1年間では計4匹のイリオモテヤマネコが交通事故で死亡している。
 同協議会は、事故によるヤマネコの死亡を防ぐため、7、8月を交通事故防止強化月間に設定。今月24日には協議会関係者や地元住民ら約20人がヤマネコの活動的になる日没前の時間帯に浦内橋から千立集落間直線道路でドライバーらに安全運転の呼び掛けを実施した。
 このときは、ヤマネコの目撃情報はなかったが、同事務所の担当者は「島内各地でヤマネコの子ネコの目撃情報が寄せられている。引き続き安全運転を継続していただきたい」と、来島者らにヤマネコが飛び出す可能性を訴えながら、安全運転を呼び掛けている。協議会では今月31日にも後良橋で、日没前に安全運転の呼び掛けを実施する予定だ。
 今年は、これまでのところヤマネコの死亡事故発生はなく、昨年12月の死亡事故以降、今月11日で無事故日数は200日を超えた。
 西表野生生物保護センターは目撃情報と交通事故の傾向などからヤマネコ交通事故防止強化区間(通称・ヤマネコよんな~ロード)を選定。同区間に注意を促す看板などを設置している。また毎月、ヤマネコ目撃地を記録した運転注意マップを発行している(ヤマネコの目撃情報はQRコードから投稿可能)。
 ヤマネコを目撃した、衝突した、死体を発見した際のヤマネコ緊急ダイヤル(西表野生生物保護センター)TEL0980・85・5581。

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