大型で非常に強い台風6号は2日午後、石垣島北部を暴風域に巻き込み、時速15㌔で宮古島の北へ進んだ。石垣島地方気象台によると、石垣市伊原間で午後7時39分、最大瞬間風速31・6㍍を観測した。最接近は石垣島地方が3日未明、与那国島地方が4日未明から明け方になると見られる。台風は東シナ海で速度が落ちて、進路を北寄りに変えると予想され、同気象台は「暴風や強風が吹く時間帯が長引く恐れがある」と、厳重な警戒を呼びかけている。
石垣島地方には2日午前6時過ぎ、暴風警報が発表された。午後にかけて徐々に風が強まり始め、市内の大型スーパーなどでは閉店時間を早める店舗も見られた。
石垣市内では2日午後2時20分ごろまでに、約2500戸が停電し、JAおきなわ八重山支店前の信号が止まるなどの影響が出たが、午後3時過ぎまでに順次復旧した。
石垣空港発着便は全便欠航し、旅客ターミナルビルは終日閉館した。4日の運航は未定。石垣島と竹富町の離島を結ぶ航路も全便欠航した。
大型スーパーなどでは食料品の品薄も目立ち始め、住民生活や観光産業に大きな影響が出ている。農作物への被害も懸念される。
今後、台風の速度が落ちるために、気象台では影響が長時間に及ぶと予想。「石垣島地方では3日夜遅くまで暴風に警戒が必要」と警戒を呼び掛けている。
石垣島、与那国島両地方で予想される最大風速(最大瞬間風速)は3日が石垣島地方25㍍(35㍍)、与那国島地方23㍍(35㍍)、4日が両地方とも20~24㍍(25~35㍍)。
八重山地方では3日にかけ、多い所で1時間に40㍉の激しい雨が降る見込み。台風の進路によっては、石垣島地方では2~5日にかけ、与那国島地方では3~5日にかけ、警報級の大雨となる恐れがある。
予想される波の高さは、3、4日ともに石垣島地方9㍍、与那国島地方8㍍。大潮の時期と重なるため、潮位は高くなり石垣島では3日明け方から昼前に最高潮位1・5㍍、3日夜は1・3㍍の見込み。気象台は海岸や河口付近の浸水や冠水に警戒が必要になっている。
台風の中心気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45㍍、最大瞬間風速は65㍍で中心の東側280㌔以内と西側220㌔以内では風速25㍍以上の暴風、中心の北東側600㌔以内と南西側500㌔以内では風速15㍍以上の強風が吹いている。