合格者55人が名演 発表会、4年ぶり通常開催 八重山古典音楽コンクール

「鷲ぬ鳥節」を合奏する合格者の皆さん=29日夜、市民会館大ホール

 第44回八重山古典音楽コンクール(主催・八重山古典音楽協会、八重山日報社など後援)の発表会は29日夜、石垣市民会館大ホールで行われた。4年ぶりに通常規模での開催となった今回は、厳正な審査の結果、三線の部に42人、笛の部に8人、太鼓の部に3人、筝曲の部に2人が合格。全合格者55人が高度な技術を披露した。
 「鷲ぬ鳥節」の斉唱で幕を開けた発表会は、新人賞受賞者による「鶴亀節」と続き、会場に八重山の音楽特有の落ち着いた美しい音色が響き渡った。
 それぞれ新人、優秀賞に合格した森由佳さん、竹崎菜保子さんが笛で難曲「鳩間節」「小浜節」を独奏。離島に思いをはせた。
 スポットライトを浴びることは少ないが、真地米子研究所の松永歩理さん(9)=八島小3年=、石本彩音さん(13)=石垣第二中2年=は、太鼓の部のあやぱに、優秀賞の合格者として正確なリズムを刻み、演奏の下地を作った。
 お揃いの緑の紋付き袴に袖を通した2人は「初めてこんなに大きいホールで演奏して緊張したけど、しっかりできた」(松永さん)、「合格がうれしいし、(曲に)入るところを稽古してきたから、楽しくきれいな演奏ができた」(石本さん)と笑顔で話した。
 あやぱに賞合格者による初々しくも堂々とした「繁昌節」「崎枝節」、成田千秋さん、松原空飛さんの両三線の部・新人賞合格者による独唱などで中入りを迎えた。
 後半は優秀賞合格者全員による「赤馬節」などで再開し、筝曲の崎原克友さん、三線の吉濱拓人さん、阿部由紀子さんらが独唱を披露。最高賞合格が視野に入る期待の若手の「崎山節」などに、客席は今後への期待を抱いた。
 演目17番目からは、ついに最高賞合格者が登場。最年少22歳で合格した平良真奈さんの「月ぬまぴろーま節」、優秀賞から14年ぶりにステップアップした外山弥呂さんの「しょんかね節」の独唱は圧巻だった。
 ゲストのちどり乃会舞踊教室、與那國久枝八重山おどり稽古道場による舞踊も場を彩った。
 最後は「弥勒節」で締めくくり、約2時間に及ぶプログラムは盛大に、かつ静かに幕を閉じた。
 八重山古典音楽協会の喜舎場英勝会長は、あいさつで「審査会には台風接近のため予定通り来島できない受検者もいたが、調整しながら無事審査を終えることができた。難関を突破された皆さんは、次の目標を目指してたゆまぬ努力を続けてほしい」と激励した。
 同協会によると、今回は全4部門を123人が受検。合格率は44・7%だった。また、最高賞に合格した6人全員が島外在住者という異例の年となった。

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