竹富島で種子取祭 奉納芸能始まる 4年ぶり通常開催 

玻座真芸能保存会の馬に乗り飛び跳ねるしぐさの「馬乗者(ンーマヌシャ)」=28日、世持御嶽前

 国の重要無形民俗文化財で600年以上の歴史があるとされる竹富島最大の祭「種子取祭(タナドゥイ)」の奉納芸能が28日、世持御嶽の特設会場で始まった。過去3年間は新型コロナによって中止や規模縮小を余儀なくされたが、4年ぶりの通常開催となり、大勢の人で島は祭り一色となった。

 種子取祭は、種をまき、無事に育つことを祈願する行事で旧暦の9月か10月の庚寅(かのえとら)、辛卯(かのとう)の2日間(新暦の10~11月頃)を中心に行われる。奉納芸能は28、29の両日に開催する。
 この日は午前11時過ぎに新田長男竹富公民館長ら役員一行が太鼓と銅鑼を鳴らして集落を回る参詣を終え、世持御嶽に到着し4年ぶりに「庭の芸能」がスタートした。
 庭の芸能では青年らによる「棒術」で場を清め、竹富小中学校の「太鼓」、仲筋支会の働く女性を表した「マミドー」、西支会の琉球王に拝謁する喜びを表現する「ジッチュ」、東支会の農耕作業の様子を映す「マサカイ」、石垣竹富郷友会の「祝い種子取」、仲筋支会の女性同士が力勝負する「腕棒(ウディボー)」、玻座真芸能保存会の馬に乗り飛び跳ねるしぐさの「馬乗者(ンーマヌシャ)」が次々に奉納された。
 午後0時半ごろからは玻座真村による奉納芸能が開始となり、五穀豊穣の神が子ども達を引き連れて登場する「ミルク奉納」から幕開けした。その後も竹富島の農具の伝来を示し、鍬を打つ「鍛冶工(ガザグ)」、畑を耕す「組頭(フンガシャ)」、種をまく「世持(ユームチ)」、収獲を祝う「世曳(ユーヒキ)」などで島の歴史を再現した。
 そのほか狂言(キョンギン)や組踊など、役者の迫力ある演技や多彩な踊りが披露された。
 竹富公民館の新田長男館長は「良い種子取祭(タナドゥイ)ができたと言えるように一緒に頑張りましょう」と方言であいさつした。

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