自動運転車両の実証実験開始 利便性向上、復元工事もPR 首里城公園

実証実験で走行した自動運転車両から降りる入園者=23日午前、首里城公園の下之御庭

 内閣府沖縄総合事務局は23日、首里城公園(那覇市)で、入園者が有料で乗車できる自動運転車両の実証実験を始めた。観光地の利便性を向上させると共に、首里城復元工事への理解を促進する狙いがある。実証実験は3月17日まで、毎週金、土、日曜日に行われる。

 自動運転車両が走行するのは、下之御庭(しちゃぬうなー)から首里杜館(すいむいかん)前まで約300㍍のルート。途中に坂があるが、乗車することで高齢者や障害者もスムーズに移動できる。所要時間は約5分。
 下之御庭は首里城復元工事が行われている有料のエリアと隣接しており、下之御庭を自動運転車両の発着点とすることで、入園者を工事現場へ誘導する。
 車両はソニー株式会社とヤマハ発動機株式会社が共同開発した「SC1」。時速約3㌔で走行しながら、センサーで約20㍍先の障害物を感知でき、自動停止する。
 さらに、近くの建物からスタッフが車内や車外の様子をモニタ―で遠隔監視し、安全走行を図る。
 車内の正面では車窓から見える景色をCGで合成し、首里城公園や復元工事をPR。座席横の窓からも移動中の景色を眺めることができる。
 実証実験は昨年に続き2回目。本格導入に必要な人員体制のチェックや、車内で流す映像の修正などを図っている。
 乗車料金は1人500円、2人以上は定員の4人まで一律千円。乗車せず、車両外側に表示されるモニターの解説案内を楽しみながら、一緒に散策する「ズーム散歩」にも1人100円で参加できる。沖縄総合事務局は、利用者へのアンケートで料金設定の妥当性についても意見聴取している。
 この日、孫たちと共に自動運転車両に乗車した渡久地政芳さん(58)=那覇市=は「今日から車が走ると聞いて、いい機会だと思って予約した。孫も喜んでいたし、良い体験になった」と笑顔。「お年寄りや体が不自由な人が坂道を歩くのは大変だが、こういう車があると便利になる」と話した。
 沖縄総合事務局は「自動運転車両を本格導入するかどうかも含め、今後のスケジュールは未定」としている。
 首里城の復元工事は今年から本格化し、屋根、赤瓦、壁、床の設置が進む。
 国営沖縄記念公園事務所首里出張所の新垣博愛所長(首里城復元整備推進室副室長)は「自動運転車両の活用で首里城公園の魅力度向上や省力化に取り組み、復元工事が進んでいることも周知したい」と期待した。
 自動運転車両の利用者には、国営沖縄記念公園オリジナルステッカーを贈呈している。なくなりしだい終了。

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