波照間アンケート「前提違う」 重要拠点、市長が設問疑問視

 有事に備え、自衛隊や海保が円滑利用できるよう国がインフラ機能を強化する「特定重要拠点空港・港湾」制度を巡り、石垣市の中山義隆市長は14日、波照間住民の6割が波照間空港の指定に反対とする有志のアンケート結果に疑問を呈した。市議会一般質問で、アンケートの設問について「もともとの前提が違う」と述べた。市議会で、中山市長が他の自治体の案件に関し発言するのは異例。
 八重山ではアンケート結果をもとに、特定重要拠点指定に反対するのが住民の意思だと主張する意見がある。中山市長はアンケートに対する疑問に言及することで、市と共に特定重要拠点の指定を求める竹富町を援護した形だ。
 一般質問では野党の井上美智子氏が「アンケートでも波照間住民の57・9%が波照間空港の軍民共用と滑走路延長に反対している。賛成・容認の2倍以上で、説明会を求める声も70%以上だ」と指摘。「波照間は戦争マラリアの教訓がしっかり生かされている」と述べ、新石垣空港の特定重要拠点指定も拒否するよう求めた。
 中山市長は「アンケートの中身を確認していないので批評は難しい」とした上で「新聞報道を見ると、空港の軍事利用、軍民共用を認めるかどうかというアンケートだと理解している。それは、もともとの前提が違う。竹富町が島民に正確な情報を伝え、再度住民の意見を確認すればいい」と強調した。
 「軍民共用」「軍事利用」という言葉の使用に対し「現在の空港、港湾でも、自衛隊はいつでも使える。滑走路を延長したら自衛隊が使えるようになるという言い方は誤解だ。延長に反対するために、現行の空港で年間100回以上自衛隊、米軍が離着陸していることを無視し、あたかも自衛隊が来るように表現している」と非難した。
 波照間空港の滑走路延長に関しては「第一航空に聞くと、800㍍の滑走路では6人乗りの機材しか飛ばせない。現行の滑走路を1000㍍、1500㍍に延ばしたいという町の考えは理解できる」と必要性を説明した。
 井上氏は「絶対に認めるわけにはいかない。市長の言い方は戦争につながる道だ。考え直してほしい」と反発した。
 波照間島住民を対象にした有志のアンケートでは、波照間空港の滑走路延長について、国が「軍民共用で使用する調整を行っています。そのことについて考えを伺います」などという設問になっている。

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