石垣市手話言語条例検討委員会の大田幸司委員長、本村順子副委員長、飯田実男副委員長の3人が15日午後、市役所に中山義隆市長を訪れ、同委員会がまとめた手話言語条例案を答申した。16日~2月1日まで、広く市民等から意見を募集するパブリックコメントを行い、3月議会への上程を予定している。
大田委員長は「ろう者からの大変熱い思いをいただいた。石垣市に住む人だけでなく、観光客にも役に立つ条例になったと確信している」とあいさつ。中山市長は「議会に上程し、議員とより深く話し合い、代替案も求めながら、条例化していきたい。これが成功すれば、さまざまな障がいの方々のバリアフリー化の意識付けにもなる」と述べた。
条例案では「手話は言語である」という冒頭で始まる前文と、市の責任、市民・ろう者等・教育機関等・事業者・医療機関の役割、災害時の対応等を明記した全13条から成る。
市には現在ろう学校がなく、ろう学校へ進学するには沖縄本島や県外に行く必要がある。本村副委員長(石垣聴覚障がい友の会)は「寮生活を余儀なくされている子どもが、親と離れずに暮らせ、教育を受けられる制度の構築を」と強く訴えた。
また、本来ならば通常の学校で、ろう者が一緒に学べる環境が望ましいという話もあった。
手話言語条例は県内では沖縄県、浦添市、南風原町、名護市が制定している。石垣市条例案は、教育機関等・事業者・医療機関の役割、旅行社その他の滞在者への対応を盛り込み、各現場で手話への理解や環境整備への努力を明記したことが特徴。
市の2017年度版『福祉事務所の概要』によれば、「身体障害者手帳」所持者1954人のうち、聴覚・言語障がい者は362人で、ろう者は31人。