県、手続き適切と説明 琉球新報への無利子貸与 9月定例会

 県が開会中の9月定例会で、琉球新報社に輪転機の更新費約8億5000万円を長期無利子で貸し付ける予算案を上程した件で、西銘啓史郎氏(自民)は7日の一般質問で「輪転機(の購入)が地域の振興につながるのか」と疑問視した。県側は貸し付けに際し、県、支援財団、メインバンクの3者で審査していると説明。手続きは適切に行ったとの立場を示した。
 県企画部によると、琉球新報社は昨年12月、地方自治体が(一財)地域総合整備財団(ふるさと財団)の支援を得て、地域振興に資する民間投資に融資する「ふるさと融資」の協議書を提出。県はことし5月に貸し付け申し込み書を受理し、7月の審査会を経て今回の補正予算を計上した。貸し付け額は8億5300万円で、総事業費26億8200万円の約3分の1を占める。
 西銘氏は同社の決算状況をただした。
 当局は、昨年3月期の売上高が65億8400万円、経常利益は9500万円だったと説明。一方で、2021年3月期に経常利益マイナス4億5100万円を記録したと付け加えた。
 西銘氏は「貸し付けの際は普通、返済能力があるか判断するため決算を重要視するはずだ。この数字(経常利益)で貸し付けるのか。委員会でしっかり審議する」と述べ、予算案を承認しない姿勢を示した。
 また、県の貸し付け金が支払われていない段階の8月に輪転機が稼働していたなどと指摘し「違法ではないのか」と質問。
 武田真部長は「事業終了後の貸し付けという形で、事業に先に着手するのが通例。事業者側は貸し付けがないリスクを背負って整備を進めている」と問題視しなかった。

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