沖縄県の健康増進計画「健康おきなわ21」について各界の担当者が意見交換する推進協議会が3日、那覇市の中小企業振興会館で開かれた。「健康おきなわ21」は第3次計画が今年度から12年間の期間でスタートしており、会合では県保健医療介護部が計画推進に向け、関係各機関・団体の役割などを定めた「健康長寿おきなわ復活に向けたロードマップ」を説明した。同部の糸数公部長は、2040年の長寿日本一という目標を掲げて取り組む考えを示した。
沖縄県の平均寿命は2020年が男性80・73歳、女性87・88歳で、全国順位は男性43位、女性16位となっており、特に男性の悪化が目立っている。推進協議会は医療、行政、経済など各分野の代表15人で構成している。
第3次健康おきなわ21では、基本理念に「県民が健康・長寿を維持継承し、生きがいに満ちた豊かな人生を送ることが大切」、全体目標に「平均寿命の延伸」「健康寿命の延伸」「早世の予防」「健康寿命の地域格差の縮小」を掲げた。
重点的に取り組む事項は①肥満の改善(適正体重を維持している県民の増加)②働き盛り世代の健康づくり(健康経営のさらなる推進)③市町村等との連携強化(国保、健康づくり事業等の効果的な実施)―の3項目となっている。
ロードマップは県庁の各部局が取り組む「県推進本部版」と、官民が取り組む「県民会議版」を作成している。
県保健医療介護部が報告した計画の進ちょく状況によると、22年の健康寿命(日常生活に制限のない期間の平均)は男性71・62歳、女性74・33歳で、19年のそれぞれ72・11歳、75・51歳から悪化している。
全国値の男性(72・57歳)、女性(75・45歳)も下回った。健康寿命の地域間格差は改善した。
担当者は、新年度に推進会議の下部組織として「健康おきなわ21推進検討部会」を設置し、毎年度、取り組みの進ちょくを確認する考えを示した。
糸数部長は会合の冒頭「2040年を見据え、85歳以上人口の増大等に対応すべく、地域の医療提供体制全体を検討し、地域包括ケアシステムの構築、健康づくり施策の一層の推進等を図る必要がある」とあいさつした。