委託業者に丸投げ「違和感」 米事務所運営、元所長が証言 百条委

 沖縄県のワシントン駐在事務所が株式会社だった問題で、県議会の調査特別委員会(百条委、座波一委員長)は14日、いずれも元県職員で、駐在事務所の2代目所長だった運天修氏、駐在事務所設立当時の知事公室長だった町田優氏を参考人招致した。米国の委託業者に「丸投げ」とも指摘される駐在事務所の運営実態について、運天氏は「違和感があった」と述べ、県庁在職当時から問題意識を抱いていたことを明らかにした。

 駐在事務所の家賃、人件費など、ほとんどの活動費は米国の委託業者が県の委託料から支出した。「形式的に事務所から支払っている形」(運天氏)を取ったが、支出内容は本庁で決裁され、駐在事務所に決定権はなかったという。
 運天氏は「事務所を長く運営するには、自分たちで自立、自営でやっているくらいのものがないと厳しいのかなという感覚があった。ずっと委託業者に頼り切りになる形はどうかな、というのはあった」と述べた。
 活動費の使われ方について「資金の流れが間接的であることはグレーかなという感触は持っていた」「直接予算が執行できないのは会社としては普通ではない。そういう資金の流れは適切ではないと思っていた」と指摘。駐在事務所が法人としての実態を疑われる可能性を危惧した。
 駐在事務所が株式会社であることは、事務引き継ぎの際、初代副所長から定款を見せられて初めて知ったという。担当課に株券の公有財産登録をしたほうがいいと伝えたほか、当時の謝花喜一郎知事公室長(のちに副知事)、池田竹州統括監(現副知事)にも報告したと証言した。
 初代副所長が百条委で、運天氏が株式会社設立に関する書類を「ブラックボックス化していた」と批判したことについては「隠していたとかいうことはないので心外」と反論した。
 本庁で株式会社設立に伴う手続きや、駐在職員の営利企業従事許可(兼業許可)手続きが行われていなかったことについて「私たちの活動のストレスを考えると、もう少し真剣に対応していただきたかったというのが率直な意見だ」と疑問視した。
 町田氏は駐在事務所設立当時について「当時は知事訪米の準備で全員が一生懸命で、法人設立の話は記憶にない。あまり照明が当たっていなかった」と振り返った。
 駐在事務所設立を主導したのは誰かとの問いに、町田氏は「設置の際に誰がイニシアチブを取っていたかということなら知事」、運天氏は「知事公約の一つだったということに尽きる」と回答。当時の翁長雄志知事のトップダウンで設立作業が進んだことが改めて浮き彫りになった。

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