標柱設置へ上陸申請 石垣市長「国民世論の後押しを」

尖閣諸島に設置するため、石垣市が製作した標柱=8月23日
尖閣諸島に設置するため、石垣市が製作した標柱=8月23日

石垣市は14日、尖閣諸島の字名変更に伴って製作した標柱を現地に設置するため、今月3日付で総務相に上陸を申請したと明らかにした。政府は不許可とする方針を示唆しているが、中山義隆市長は市議会一般質問で「国民全体の世論の後押しが必要になる。多くの皆さんの賛同をいただき、政府を動かすような力になればと考えている」と今後の世論喚起に期待した。
 尖閣諸島への標柱設置は仲間均氏が一般質問で取り上げ「『国が認めない限り上陸しない』と言ったら、標柱設置はパフォーマンスになる。自分たちの行政区域なのだから、誰が何を言おうが、こうと決めたらやるべきだ」と市長の決断を迫った。
 中山市長は「政府に上陸申請するにしても、標柱を製作してからでないと話の重みが違うと考え、製作を先に進めた。もともとある標柱はコンクリートなので、今回は御影石を使い、風雨に耐えるようにした」と説明。
 尖閣諸島周辺海域では中国海警局船が航行しており、海上保安庁の巡視船が警備に当たっている。中山市長は「国が上陸を許可しないと、強硬に出港しても途中で止められる。そういうことは避けたい。国の回答しだいで次の行動を考えたい」と強調した。
 小切間元樹企画部長は、政府が上陸申請を不許可とする可能性について「官房長官は『原則として上陸を認めない』と答弁しているが、原則には例外もあると承知している」と述べ、国の出方を見極める考えを示した。
 中山市長は、尖閣諸島を巡る情勢の認識を問われ「わが国の領海内で、他国の船が日本の漁船を拿捕(だほ)するような状況が起こっていはならないが、それが現実になりそうな状況」と危惧。
 その上で「政府が対立を恐れて躊躇(ちゅうちょ)したり、抗議もせずに穏便な対応を繰り返せば、だんだん状況が悪くなるのは誰が考えても分かる。危機は目の前に迫っている」と述べ、政府に上陸申請の許可や、尖閣諸島での通信施設整備などを求めた。
 自ら尖閣海域での出漁を繰り返している仲間氏は「尖閣周辺の波は日増しに荒波となり、やがて大波が来るのではないか。市民、国民の生命財産が脅かされる」と指摘した。
 尖閣諸島の5島には1969年、当時の石垣喜興市長らが上陸して建てた標柱が現存している。市は2020年に尖閣諸島の字名を「登野城」から「登野城尖閣」に変更し、新たな字名を記した標柱に取り換える方針を決めている。

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