石垣市の中山義隆市長は26日、報道陣の取材に応じ、政府が九州に先行配備を行う方向で検討に入ったと報道された「長射程ミサイル」について、「(配備の)打診はない。議会でも言っているが、長射程ミサイルは石垣に必要ない」と、あらためて明言した。仮に政府から打診があったとしても「考えとしては反対で、必要ないと伝えたい」とした。
長射程ミサイルについて、「相手の射程圏外から発射する兵器・装備」と指摘。中国を念頭に「相手国が近く、射程距離内に装備を置く必要はない。石垣に置くのはふさわしくない」とした。
反撃能力(敵基地攻撃能力)を備えた「長射程ミサイル」としては、石垣駐屯地のミサイル部隊が運用する12式地対艦誘導弾を改良した「能力向上型」のうち、地発型が候補に挙がっている。
「能力向上型」は従来の12式の飛行距離を延伸し、中国大陸にも到達できる「長射程ミサイル」に改良。発射方法は現状の12式と同様に車両から発射する「地発型」だけでなく、海自の護衛艦などから発射する「艦発型」や、空自の各種航空機などから発射する「空発型」の開発も行われている。
防衛省は昨年末、「地発型」を25年度、「艦発型」を26年度、「空発型」を27年度までに、それぞれ開発を完了する予定と公表。「地発型」は完了と同時に部隊配備が計画されており、現状は九州の陸自部隊が最有力とされている。