戦時中、石垣島上空を飛行中に撃墜され生き残った米軍機の搭乗員が、日本軍による尋問後に処刑された石垣島事件から80年となる15日、市内新川にある米軍慰霊碑で24回目の慰霊式が行われた。同実行委の関係者に加え、米海軍や同海兵隊、在沖米国総領事館などから23人の米国関係者が参列。県外からも参列者がおり、3飛行士の霊を慰めた。
事件では、撃墜後に生存した3人の米兵が日本軍に捕らえられ、厳しい尋問や暴行を受けた。日本軍は現場の判断で3人を斬首や銃剣で殺害しており、実行者などは戦後の裁判で有罪が確定。死刑に処された。
慰霊式では、米海兵隊の従軍牧師による祈りの後、在日米海軍(第7艦隊)所属の音楽隊が日米の国歌を演奏。続いて、参列者が犠牲者に黙とうを捧げた。
実行委の識名安信委員長は「戦争行為は残虐で、平和は尊い。事件の教訓を生かし、それぞれの立場で平和実現のために努力することが求められる」とあいさつした。
中山義隆市長は「3飛行士を含む全ての戦争犠牲者の御霊に対し哀悼の誠を捧げる。過去の犠牲から学び平和を築くために、次代を担う若い世代に継承する責務が我々にはある」と述べた。
第一海兵航空団のマーカス・アナバーリ司令官は「80年前、我々は戦争状態だったが、今日では共に訓練を行い、インド太平洋(を守る)パートナーだ」と強調。米海軍第7艦隊のジェイソン・アーマソン大佐(飛行隊副司令官)は「彼らの勇敢さと犠牲に敬意を表する。私たちは今、同盟国として自由と民主主義を守っている」と強調した。
在沖米国総領事館のアンドリュー・オウ総領事は「沖縄と米国の相互理解の高まりや強い絆と友情、平和と自由への共通のコミットメントを象徴する」と日本語で述べ、これまで慰霊祭を継続してきた実行委に感謝した。