来年2月15日告示、22日投開票の石垣市長選は、市議の箕底用一氏(44)が出馬の意向を固めたことを受け、今後は現職の中山義隆氏(57)と、革新陣営の動きが焦点になる。中山氏は現時点で進退を明言していないが、周囲は5選出馬に意欲的と見る。革新陣営は4月末に選挙戦の母体となる組織を発足させており、6月をめどに候補者選考を急ぐ。
中山氏は離島の市長として初めて県市長会の会長に就任。2日に那覇市で就任激励会が開かれ、14日には石垣市でも就任祝賀会が予定されている。現時点で中山氏に5選出馬を辞退する雰囲気はなく、周囲には激励会や祝賀会が事実上、5期目に向けた「キックオフ集会になる」との見方がある。
ただ、石垣市で過去に5選を果たした市長はおらず、長期政権に対する賛否は支持者の間でも二分される。与党として中山市政を支えてきた公明党の対応もカギになる。中山氏は世論や支持者の動向をにらみながら、出馬の可否を判断すると見られる。
箕底氏は超党派の政治スタンスを示し、保革双方からの支持取り付けを狙う。一方で自衛隊配備を容認する姿勢などから、政治的には保守系と見られており、中山氏が出馬する場合は保守分裂選挙の様相を呈する。
革新陣営は県議、市議らを共同代表とする組織を発足させ、候補者検討委員会と政策検討委員会を置いた。保守分裂選挙になった場合は革新陣営に有利という思惑もあり、今後、独自候補擁立を目指して本格的な候補者選びに入る。
ただ有力候補は不在で、選考が難航する可能性もある。前回2022年市長選では保守系の砥板芳行市議を保革相乗りで擁立した経緯があるが、関係者は「現時点では箕底氏を支援するという話は出ていない」と述べたが、箕底氏を候補とする可能性も否定しなかった。