高良氏が初当選 「オール沖縄」議席死守 来年の知事選へ追い風 参院選

バンザイ三唱でガッツポーズを見せる高良氏(中央)=20日夜、那覇市の教育福祉会館

 第27回参院選沖縄選挙区が20日投開票され、玉城デニー知事を支える「オール沖縄」勢力の無所属新人で沖縄大教授の高良沙哉氏(46)=立憲、共産、社民、社大推薦=が約26万票を獲得、自民公認、公明推薦の新人で前那覇市議の奥間亮氏(38)ら4人を破り、初当選を果たした。「オール沖縄」勢力は現職、高良鉄美氏の議席を死守。来年の知事選へ向け、県政維持の追い風となった。

 今選挙では物価高対策や県民の暮らし支援が最大の争点になった。高良氏は消費減税、ガソリン税の暫定税率廃止などを主張。「オール沖縄」勢力の旗印である米軍普天間飛行場の辺野古移設反対をはじめ、先島諸島での自衛隊増強反対、台湾有事を念頭にした国民保護計画反対も訴えた。
 玉城デニー知事を選対本部長に据え、革新系野党の共闘体制を構築して支持基盤である革新層を手堅くまとめた。政権批判を背に無党派層への浸透も進んだ。
 奥間氏は離島振興を最優先に掲げ、祖母の故郷である宮古島から選挙戦をスタートするなど、国政選挙としては新機軸の政策や運動で独自色を発揮した。
 ただ選挙協力体制を組んだ自公が石破政権の不人気で逆風にさらされ、支持基盤である保守層の一部が参政党の和田氏に流出。足元を固めきれず、自民党候補としては2010年以来となる参院選での勝利はならなかった。
 和田氏は全国的な「参政党ブーム」に乗って知名度を高め、草の根の運動で得票を上積み。「自公対『オール沖縄』勢力」という従来の対立軸に一石を投じた。
 2014年の知事選で「オール沖縄」勢力が誕生して以降、全県を一つの選挙区で戦う参院選、知事選で「オール沖縄」勢力は自公に7戦全勝とした。特に参院は2議席独占で「オール沖縄」の牙城となっている。
 しかし今選挙は石破茂政権の支持率が低迷し、自公が全国的に大敗する流れの中での辛勝。昨年の県議選や各市の市長選で見られた「オール沖縄」勢力の退潮傾向に歯止めが掛かったとは言い難い。知事選に向けて勢いを持続できるかが課題となる。
 投票率は56・08%で、前回22年の参院選を6・19ポイント上回った。

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