最大約34㍍真下には渓谷が広がる。目の前には細いロープの吊り橋が延びる。ゴールは約84㍍先にあり、命綱だけを頼りに、文字通り綱渡りで先に進む。高所恐怖症の人なら、下から眺めているだけで身がすくみそうなアトラクションだ。
ハーネス(安全ベルト)を着せてもらったあと、出発口があるタワーに上り、ルート沿いに張られたワイヤーに命綱を装着する。
ワイヤーから垂れ下がった、いくつものロープにつかまりながらスタート。ナビゲーターからは「後戻りはできません。ロープにつかまらずに進むのがお勧めです」とアドバイスされた。
数歩進んだだけで、ロープにすがらずに前に進むのは困難だと分かる。吊り橋がぐらぐらと揺れ、足場が不安定で、今にも落ちそうになるからだ。
一定の距離ごとに固定した足場が設けられ、一息つけるが、そこにたどり着くまでに体力を消耗する。息を切らさずにゴールできるか自信がなくなった。
さまざまな難所がある。中でも、足場として置かれた小さなボードが揺れ、つかまろうとした柱もグラグラした箇所ではバランスを崩して先に進めなくなった。
ナビゲーターに手を取ってもらって、ようやく体勢を立て直す。命綱がなければ、谷底へと真っ逆さまに転落しているシーンだ。
下を見ずに、とにかく先を急ぐと、つかまるロープすらない箇所も出現。それこそ崖の上から飛び降りるくらいの覚悟でジャンプしながら足場を伝っていく。ようやくゴールのタワーに到達した時は、ふだん使わない体の部位を酷使したせいか、軽い筋肉痛を感じた。
人生で何度も味わうことのできない、スリル満点なひとときにチャレンジできる。