有限会社八重泉酒造(座喜味盛行代表取締役社長)はことし、創業70周年を迎え、これを記念した特別ラベルの泡盛を発売した。座喜味社長に、節目の思いと今後の展望を聞いた。
限定1万本、青い記念ラベル
発売されたのは「八重泉30度600㍉㍑」の70周年記念ラベル。予定製造本数は1万本。10月から販売を始め、在庫がなくなり次第終了となる。
従来の黄色のラベルとは異なり、初めて青を基調としたデザインで販売する。70周年を示すワンポイントもあしらわれた。「中身は通常の商品と全く一緒ですが、本数限定の記念ボトル。ぜひ共に70周年をお祝いしていただければ」と座喜味社長は呼びかけた。
地域への感謝と変わらぬこだわり
同社は社長の祖父の代に創業し、座喜味社長は3代目にあたる(2018年就任)。「祖父の代から創業させてもらって、やはり地域の皆様にご愛顧いただいてここまで来れた。まちの皆様に育てていただいたという思いが大きい」と感謝を語った。
現在は約40種類の商品を販売。泡盛を中心に、スピリッツや果実酒にも挑戦しながら、「美味しいもの、いいものを作り続ける」という姿勢を守り続けている。
海外市場へ挑戦
泡盛離れが進む現状について「飲んでもらえるお酒を目指したい」と強調。地元や全国にとどまらず、海外市場の開拓にも意欲を見せる。
台湾では現地消費者と意見交換を重ね、新商品の開発を進めているほか、来週からはヨーロッパを訪問し販路を探る予定だ。「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産への登録で世界的に日本酒への注目が集まる中、泡盛もその流れに乗せたい考えだ。
「海外のお客様がネットで調べて工場を訪ねてくれることも増えている。これからも海外でも飲まれる味わいを発信していきたい」と話し、節目を新たな飛躍への契機とした。