日本沖縄政策研究フォーラム(仲村覚理事長)は7日、浦添市内で「沖縄から始める国連正常化運動」と題したセミナーを開催し、なでしこアクション代表の山本優美子氏を講師に迎え、戦時下の従軍慰安婦の問題や、国連での沖縄県民の先住民族化問題などをテーマに、講演した。
山本氏は8月に国連に行き、慰安婦が性奴隷ではないと主張したと報告。国連の各種人権問題を議論する委員会で、慰安婦が性奴隷として扱われていると説明し、米国の下院決議や世界各国での碑文や銅像の設置に影響を与えたと説明した。
同じく国連で発表した仲村氏は、一部の日本のNGOなどが進める沖縄県民の先住民族化工作の実態を指摘。「沖縄で、日本からの独立運動が起きたことは無い」「先住民族として保護を求める声が上がったこともない」と述べ、県民代表として発表した意義を強調した。
山本氏は、国連での議論が国際社会に影響を与える点を指摘。日本軍が強制し、慰安婦を性奴隷にしたという間違った歴史が世界中に流布され、名誉が傷つけられていると警鐘を鳴らす。各国で団体などが、銅像や碑文を建てていることに触れ「その国の子どもたちに悪影響を与えている」と訴えた。
沖縄県の先住民族化問題で仲村氏は「国連で議論され始めた段階で反論すべきだった。反論は急ぐべき」と主張。県民が知らない間に先住民族と説明される碑が各国で建てられる懸念を示し、「沖縄の方々が(反論を)言わないといけない。沖縄県民が先住民族と言われてしまう」と訴えた。
また仲村氏は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設問題について「国が進める工事などが、県民への人種差別だとされるのが危険」だと指摘し「沖縄県民は日本人であると国際発信するしかない」と訴えた。石垣市や豊見城市で議決された国連の先住民族勧告の撤回を求める意見書を、県内の他の市町村でも可決すべきと主張した。