石垣島地方気象台(野崎太台長)が2017年5月に第17回世界気象機関(WMO)総会で百年観測所に認定され5日、同気象台構内で認定を記念した認定記念碑プレートの除幕式が開かれた。18年現在、WMO認定は国内初。全世界で116カ所が認定されている。
WMOは17年、質の高い気候監視を継続することを促進するため、百年観測所の認定制度を導入。選定基準は、▽100年異常前から現在まで観測している▽気候的特徴に影響する移転がない▽WMOの観測基準に従って運営している―などがある。気象庁が同気象台をWMOに推薦し、認定を受けた。
除幕セレモニーで気象庁観測部の長谷川直之部長は「(認定は)先輩方、現役の皆さんの努力の賜物」と感謝し、「100年以上にわたり、質の高い観測を続けた。胸を張って誇れるものだ」など祝辞を述べた。
取材に対し、野崎台長は「新しい技術で貴重な財産となる観測を続けたい。台風の時も休まず観測してきたことが大切。これからも引き継いでいきたい」と意気込みを述べた。
1954年から同気象台で勤務し、南大東島気象台長時に定年退職した正木譲さん(85)=登野城=は、「戦中にここは爆弾が落ち、岩崎卓爾さん(2代目台長)の銅像にも弾が貫通した。戦中を先輩たちが観測を続けてきたことが、100年につながった」と語った。
同気象台は1896年に石垣島測候所として創設。1972年に石垣島地方気象台と改めた。その後も名称は変わるが2018年で創設122年。この日、12月5日が創設記念日となる。