「一番必要なのは平和」 鐘設置30周年で記念式典 各国大使ら打ち鳴らす 石垣市

記念撮影に臨む各国の大使ら=10日午前、市民会館大ホール

 石垣市新栄公園に「世界平和の鐘」が設置されて30周年となることを受け、世界各国から大使などを招いた平和発信イベント「ピースベルアイランド・イシガキ2018」(主催・同実行委員会)の記念式典が10日、同公園で開かれた。駐日サンマリノ共和国特命全権大使のマンリオ・カデロ氏は「世界が今、一番必要としているのは平和だ」と述べ、平和創造に向け尽力すると強調。中山義隆市長は「石垣島平和宣言」をした。
 記念式典の開催に当たり市は「石垣島から平和の潮流を起こしてほしい」という公明党の強い要請で世界各国の大使を招待した。しかし近隣諸国では、尖閣諸島問題で日本と対立する中国をはじめ、台湾、韓国が欠席し、アジアからの参加は香港のみにとどまった。

 式典には17国、1地域、1国連機関から37人の外交使節が出席。開会アトラクションが石垣市民会館大ホールで開かれ、石垣第二中マーチングバンド部が演舞を披露した。市宮良出身のシンガードン具ライター、成底ゆう子さんがミニコンサートを開き、平和への願いを澄み切った歌声に託した。
 新栄公園の特設会場に移動。大使らは小学生にエスコートされて「平和の行進」を行い、一人ひとり鐘楼に上り、子どもたちとともに鐘を打ち鳴らした。
 式典でカデロ氏は「皆さんのおもてなしは一生忘れない。石垣島は日本だけではなく、世界の平和のシンボルだ」と熱弁。「戦争に勝者はない。全員が敗者だ」とも訴えた。
 中山市長は「この石垣島という島の上に、平和を愛する人々がいます。話し合いと、思いやりを尊ぶ、希望に満ちた友人と共にいます」と「石垣島平和宣言」を読み上げ、大使らを代表してカデロ氏が宣言文にサインした。
 世界平和の鐘は1954年、中川千代治氏が国連加盟国から提供されたコインやメダルで鋳造し、ニューヨークの国連本部に寄贈したことが始まり。石垣市は1988年、日本最北端の地、北海道稚内市に次ぐ第2号としてワールドピースベル協会から寄贈を受けた。市によると、当時の記念式典には41カ国72人の駐日全権大使らが参加した。

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