一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアム(屋冨祖幸子理事長)の発足に伴う記者発表が23日午後、県庁で行われ、事業内容などが紹介された。
同団体は、沖縄県補助事業を活用して2018年に任意団体として設立した産官学連携の組織を母体に、琉球紅型を継承する工房、琉球びんがた事業協同組合、設立会員企業22社が連携して設立される。
屋冨祖理事長は「伝統工芸の琉球紅型を企業の皆様と一緒に発展させていきたい。伝統工芸を継承していく若い人のためにも事業として確かな礎を築きたい」と決意を述べた。
同団体の活動は、紅型のデジタルデータを提供するライセンス事業、企業とコラボした商品開発、次世代の職人育成に向けた取り組みや、ブランド構築などを行う。
設立会員企業からは工房見学など観光と絡めた体験型のサービス展開、ホテルのアメニティ商品への活用、かりゆしウェアとのコラボ、飛行機のヘッドカバーにデザインを取り入れるなどの活用事例も紹介され、デザインの点数を増やしたり連携企業のさらなる拡大を目指す。
紅型は琉球王朝の王族・士族の着用した沖縄で育った唯一の染物で、約300年間途切れず伝統技法を守り伝えてきた。
工房の代表として城間びんがた工房の16代目となる城間栄市氏は、「企業との連携を機に、これまで紅型に触れていなかった人に知ってもらえる。伝統工芸を守り次世代に残したい」と意欲をみせた。
同団体の設立はあす25日。翌日26日には東京・天王洲でワークショップ・販売会が行われる。