石垣市は、尖閣諸島が歴史的にも国際法上も日本の領土であり、市の行政区域であることを国際社会に明確に示し、国民への啓発を目的とする「尖閣諸島開拓の日」式典を14日、市民会館中ホールで開いた。日中関係は改善傾向にあると言われる一方、尖閣海域では12日に、軍指揮下にある中国海警局の船が今年2度目の領海侵犯を行うなど、緊張状態が続いている。
式典は、日本政府が1895年に尖閣諸島を領土に編入した1月14日に毎年開催され、今回で9回目。
中山義隆市長は、尖閣諸島が日本固有の領土となった歴史的な経緯と、1960年代末の国連機関による石油埋蔵可能性調査の公表後に、中国と台湾当局が尖閣諸島に関する独自の主張を始めたという事実を紹介。「周辺海域を含めた尖閣諸島が、日本の領土・領海として一刻も早く、市民が自由に安心して利用できる環境を取り戻せるよう取り組みの強化を」と政府に訴えた。
自民党の安倍晋三総裁(首相)のあいさつを西銘恒三郎副幹事長が代読。昨年10月に日本の首相として7年ぶりに公式訪中した際に「東シナ海の安定なくして、真の関係改善なしとの立場を改めて強調した」と述べ、「防衛体制の構築は政府だけでできるものではない。国民の皆さんの国防意識の高まり、安全保障に対する理解と支持なくして、国土を守ることはできない」と訴えた。国民民主党の原口一博国会対策委員長もあいさつした。
来賓祝辞では謝花喜一郎副知事が玉城デニー知事の祝辞を代読し、中国が日本の領土主権を侵害する行為を繰り返す現状を挙げ、「国の関係機関と更なる連携を図る」と述べた。市議会の平良秀之議長、八重山市町会の西大舛髙旬副会長(竹富町長)が来賓祝辞を述べた。
内閣官房領土・主権対策企画調整室の豊田欣吾室長は「我が国の領土・主権問題への取組みについて」と題して講演。2018年1月25日に東京都千代田区に開設された「領土・主権展示館」の今後の課題等について話した。