貨物の集約や保管、梱包などをワンストップで実現し、県内最大級の物流センターである那覇港総合物流センターが完成し、25日、記念式典が開かれた。国、県、那覇市、浦添市、那覇港管理組合などから関係者が参加した。
同センターは鉄筋コンクリート3階建てで、述べ床面積4万6000平方㍍。「ランプウェイ」と呼ばれる外付けの昇降用道路や、貨物コンテナを運送するトラックが横付けできる大型倉庫を持つ物流棟などがある。
トラックはランプウェイを進むことで物流棟2階や3階にある倉庫に直接乗り入れることが可能で、運送作業の迅速化が期待される。
県内の物流事業では、移入用コンテナを空のまま送り返すなどの「片荷輸送」を行うこともあり、コスト増が発生し、課題となっている。センターを活用し、事業者が県産品の青果類や鮮魚などを国外に輸出できる可能性が広がる。
同センターでは、県内外や国外から仕入れた貨物の小分けや検品などを行う。物流棟には、マイナス60度になる超低音設備も導入された。冷凍マグロなどを鮮度が保ったまま移出でき、那覇市は県産マグロのブランド化に期待している。
建設には民間の資金とノウハウを活用して設計や建設、運営をする公共事業・PFI方式と国の一括交付金を活用。琉球海運を代表企業として、ニチレイや那覇地域貨物運送協同組合、沖縄日本管財などで組織する㈱那覇港総合物流センターが運営する。
同センター代表取締役の宮城茂氏は「アジアの中継拠点港の確立を目指す。東アジアから本土向け輸入貨物を取り込み、県外経由で県内に輸入される外国貨物を直接、那覇港に陸揚げする」と意気込んだ。