玉城デニー知事は31日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、安倍晋三首相が30日の衆院本会議で埋め立て予定海域の軟弱地盤は、地盤改良工事で対応が可能だとの認識を示したことについて「(県が)埋め立て承認撤回の事由に挙げた軟弱地盤の存在を認めたのだから、即刻工事を中止して県と話し合うべきだ」と述べた。
政府が28日に埋め立て海域東側で新たな護岸の造成に着手したことには「撤回は有効なので国は一切の工事をやめ、協議を強く求めたい」と強調した。
今後の米軍再編については「SACO(日米特別行動委員会)合意や米軍再編で計画されていることを丁寧に進めていくことが必要。強化ではなく縮小の方向に向かうかどうかもそのつど、点検、確認をする必要がある」と述べた。読谷村で報道陣の取材に答えた。
玉城氏はこの日、米軍牧港補給地区(浦添市、約269㌶)と、米陸軍トリイ通信施設(読谷村、約190㌶)を視察した。
牧港補給地区は浦添市の面積の約14%を占め、兵たん補給基地の機能を持つ。日米両政府は、倉庫群をトリイ通信施設へ移すことなどを条件に、同地区の段階的な返還に合意している。昨年3月末には施設面積の約1%に当たる約3㌶が先行返還された。玉城氏が知事就任後、基地内を視察するのは初めて。