カンムリワシ姿見せず 関係者「生態系に変化か」

カンムリワシ観察会では、カンムリワシや水鳥がほとんど見られず、カエルの鳴き声すらも聞かれなかった=10日午前、石垣市名蔵の水田地帯

10日午前、石垣市名蔵の水田地区で開かれた愛好家のグループであるカンムリワシ・リサーチ(佐野清貴代表)主催の観察会で、毎年1羽以上観察できていたカンムリワシをはじめ、本来、水田に集まっているはずのシギ類、チドリ類などの水鳥がほとんど見られなかったことが分かった。佐野代表は「ここ1、2年カンムリワシが見られなくなってきた。生態系のバランスが崩れているのではないか」と懸念した。
 佐野代表によると、カンムリワシのエサであるカエルやヘビなどが、コーライキジやインドクジャクなどによって捕食されてきていることなどが原因と考えられるという。

 同リサーチのメンバーで日本野鳥の会石垣支部の小林孝事務局長は「野鳥も見られなくなり、本来の石垣島の姿からかけ離れていることは確か。なぜ減ったのかを考えるきっかけにしてもらえれば」と強調。約10人の参加者らは神妙な面持ちで聞いていた。
 カンムリワシ観察会後、参加者は石垣やいま村に移動し、2007年に西表島での交通事故により左翼を骨折し飛べなくなったカンムリワシの「よんなー」君を訪れ、カンムリワシに関する説明を受けた。
 また、今月末まで同村大浜邸で開催されているカンムリワシ展を見学。石垣第二中学校3年の渡久山藍さんと新川由姫さんが「鷲ぬ鳥節」の演奏と舞踊で歓迎し、参加者はカンムリワシの写真と、最近の輪禍状況などを解説したパネルなどで、カンムリワシを取り巻く現状への理解を深めた。
 参加した井上直子さん(34)と乾優紀さん(44)は、「見られなかったのは残念だが、強そうに見えて意外と繊細なカンムリワシの実態を知り、勉強になった」と話した。
 同リサーチの渡久山恵さんはカンムリワシの交通事故死亡率の増加に触れながら、「旧正月の時期は繁殖期前でとても活発になり、交通事故も増える。法定速度内だとたいてい命は助かる。カンムリワシに親しみ、理解を深めてもらえれば」と話した。
 同リサーチはカンムリワシの愛好家らにより結成され、10年以上活動している。カンムリワシの交通事故増加を背景に環境省や石垣やいま村などと協力し、保護、啓発活動に尽力している。

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